羽鳥商店

GO羽鳥(マミヤ狂四郎)の自由帳。

マサイ通信とシンクロ率

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最近ルカとのシンクロ率が高い。ルカというのはマサイ族の戦士。ライオンに1勝したこともある現役バリバリの戦士だ。

 

ロケットニュースで「マサイ通信」という連載を書いている。「執筆:ルカ」となっているが、お察しの通り私が完全に書いている。

 

でも、内容はテキトーじゃない。ガチだ。

 

ルカと会話して、会話して、会話して。テーマを決めて質問して。それに答えてもらって。さらに質問あったら納得いくまで質問して。「逃してたまるか」と、何度でも質問して答えてもらって。

 

写真もたくさん送ってきて。意図が不明な写真もあるけれど、むこうから「ネタになりそうかな?」と積極的に写真を送ってきてくれて。

 

写真に質問したら答えてくれて。リクエストしたら指示とおりに撮って送ってきてくれて。

 

──そんなやりとりのすべてを私の頭に叩き込んで、“ルカになって書いている”……のが、私の思う「超訳」なのだ。

 

だけども事実は絶対に間違いがないように。

 

いつなんどき、マサイ通信を読んだ日本の読者がケニアのルカに会いに行って、何の前触れもなくマサイ通信のことについて質問されても、ちゃーんと「ルカが言ったこと」の範疇から飛び出さないようにしているので、ルカもしっかり答えられる……ように書いている。

 

ちなみに文体(口調)は私の思う「ルカ風」だ。実際にルカと話すのは英語だけど、その時の「ルカっぽさ」を日本語にすると、あんな感じになる。

時たま入る「それ日本人しか思いつかないだろ!」ってギャグやダジャレは単純に私のオヤジギャグだが、楽しく読んでもらうために、あえて入れている。

 

つまるところ、マサイ通信の戦士ルカは、ケニアのさいはてアンボセリに住むマサイ族のルカ・サンテと、日本の大都会・東京に住む私(羽鳥)が合体した人格なのである。言うなればルカ羽鳥だ。

 

それゆえ重要になってくるのが冒頭で説明した「シンクロ率」。ルカとの息があっていないと「ルカのフリした私」になるし、ネタもワンパターンなものになる。

 

でも息があっていると……ルカ羽鳥。

 

ポンポンポンポンとお互いからネタが出され、それにお互いが応え合い、Facebookのチャットウィンドウの中で繰り広げられる拙(つたな)い英語の応酬が、「マサイ通信のルカ」になっていくのである。


最近、ルカとのチャットはスイングしてる。お互いが「より読者に楽しんでもらえる1ネタにしよう」と意識してる(気がする)。マサイ通信、書いてて楽しい。ルカもマサイ通信を作り出すことを楽しんでる(と思う)。

 

ルカと私は、「アッシェオレン(ありがとう)」を欠かさない。実際は「thank you(ありがとう)」だが、写真を送ってくれたらありがとう。質問に答えてくれたらありがとう。

 

私がマサイ通信の記事を書こうとしたら、ルカのほうからありがとう。送金した原稿料を受け取る時は、最大級のアッシェオレンメッセージがSMSで送られてくる。ありがとうありがとうの応酬だ。藤岡弘、のコーヒー淹れのように。

 

そして毎月のように「i do the my best. You do your best. my bro」とお互いを鼓舞する。英語的に正しいのかはよくわからんけど、とにかく「なあ兄弟、オレは全力でやるからオメーもやれよ」と合言葉のように言い合ってる。1回でも多く、長く、マサイ通信を続けられるように。

 


珈琲道