相変わらずキックの練習が楽しい。
日々、学んでいる。
少しずつ、少しずつ、上達している気がする。
しかし、このところ、ミットの時によく注意されるのが「距離感」だ。
距離感がおかしいと。
どうも私は「近い」らしい。
気をつけていても、途中から「だんだん近づいていってしまう」らしい。
距離感が上手にとれていないから、ジャブもストレートも「中途半端な位置」でヒットしてしまい、100%の威力が出ていないという。
距離感。
実は文書も同じである。
文書にも距離感があって、それを見誤ると読者のハートにヒットしない。
その距離感ってのは、どうにもこうにも「感覚」だと思う。
1年くらい前だろうか。
とある新人ライターさんの文書が、まさに「距離感」を見誤っていた。
どう考えても近すぎる。
一気に距離を縮めてきて、顔の真ん前で熱弁されるような感覚。
どうしようか……と思ったし、言いにくいことだけど、彼のためだし、はっきり伝えた。
「距離感がおかしい」と。
そのとき彼は相当なショックを受けていたが、数日経って修正してきた原稿は「完璧な距離感」になっていた。
その後の原稿も完璧な距離感。
なんと彼は1発でモノにしたのだ。
文章の完璧な距離間を。
天才だ。
キックの練習で距離感を注意されるたびに、そんなことを思い出す。
私もいつかはモノにしたい。
パンチの完璧な距離感を。