トイレットペーパーがラス3になったので、近所のドラッグストアに買いに行くことにした。
このまえ10時過ぎに行って余裕だったから、今回は10時ちょい前に行ってみたところ……
え……⁉︎
なにこの行列!
ドラクエ3でも売ってるのかなってくらいの長い行列ができている!
並ぶの嫌だな……。
でも、何としてでもトイレットペーパーを買わねばヤバイ。
よく目を凝らすと、店の前にトイレットペーパーが陳列されている。
けっこうな量だ。
よし、いける。絶対に買える。
我慢して並んでいると、開店時間の10時になった。
と、そのとき、列に動揺が走った。
「このドラッグストアの目と鼻の先にあるまた別のドラッグストアで、わりと普通にトイレットペーパーが売っていた」との情報が入ったのである。
情報主は、列に並ぶ主婦の旦那。
片手には、戦利品であるトイレットペーパーが。
今まさに、その店で買ってきたものだ。
そして、その旦那は、そのままこちらの行列にも、「主婦の連れ」というかたちで、横入り的に並び始めた。
こちらの店でも買うつもりらしい。
もうトイレットペーパー、持っているのに。
そんなに必要なのか。
こうやってトイレットペーパーは消えてゆくのだと思った。
そんなことを思っていたら、列に並ぶ何人かが「あら、それなら……」と列から抜け、その別のドラッグストアに向かっていった。
えー⁉︎ 理解できん!
目の前には、確実に買えるであろうトイレットペーパーが山積みされているのだぞ?
そんな不確かな情報を頼りに動いて、もしも売り切れていたらどうするつもりなのか。
「目の前にある品」より「あるかどうかわからない情報」を信じるとは……。
デマに騙される人とかも、こういう感じなのだろうか?
んで、列は進み、店前に陳列されたトイレットペーパーの前まで来た。
前に並ぶおばあちゃんがトイレットペーパーを取り終えたら、俺も取ろう……と思ったら、後ろに並んでいたオバサンが急に前に出てきて、おばあちゃんと私を差し置いてトイレットペーパーを取ろうとした。
完全なる横入りであり、もしも私がプーチンなら、即刻逮捕ならびに市中引き回しの刑に処するほどの重罪。
単純に腹立つし、ここまで頑張って並んできたおばあちゃんを差し置くとは……ゆるせん!
すぐさま私は「すみません、並んでいますよ」と注意した。
するとオババは、信じられないことをのたまったのだ。
「あなたも取りなさいよ。でないと、後ろに並んでいる人たちが次々と取っていくわよ? なくなっちゃうわよ?(笑)」
と!
おまえじゃい!
後ろに並んでいるのはおまえだし、取っていくのも、おまえ!
さらにこのババアは、後ろに並んでいる人にも対し、
「みんなも取りなさいよ。なくなるわよ!」
と、先導したのである。
「あら、それなら……」と、後ろに並んでいた人たちが前へ前へ。
結果、トイレットペーパー前は軽いカオスに。
こうやって世界の秩序は崩壊していくのだと思った。
結果、無事にトイレットペーパーは買えたけど、イライラと怒りとやるせなさ、ストレスMAXな買い物だった。
こんな地獄に対応しなければならないドラッグストアの店員さんたちに、心から同情した。
こんな日々がいつまで続くのだろう。