キックボクシングの練習をすればするほど、「まるで漫画 (文章)みたいだ」と感じるようになっている。
ミット練習のとき、よく「捨てパンチ」を意識するように言われる。
ようはメリハリ。
私の場合、すべてが「強パンチ」になっているという。
もっと「弱、弱、強!」と散らしたほうが、防御もしにくいし、よく効くと。
これ、漫画の作り方でも同じだなと。
たとえば4ページの漫画の場合。
1ページ目は、あくまでもジャブ。
チョンチョンと導入の説明。
2ページ目でトトトンと小ギャグを入れ、読者の意識を、私が狙った方向に誘導する。
そして、ページをめくった3ページ目で、「ドカーン!」とカウンター気味の強パンチをブッ放す。
この「指でめくる」という物理的かつ能動的なアクションに、渾身の大ギャグを大ゴマのデカ文字でカウンター的にぶつけるのだ。
場合によっては、3ページ中にもう1発。
ドン! ドン! と。
もうこれで仕事はほとんど終了だ。
そして4ページ目で、まとめ的な中パンチ。
たまに、ダメ押しの強パンチを4ページでも放つことがあるけど、基本は起承転結の「結」になるよう、まとめていく。
あとはトトトトトンと整えるように弱パンチを打って、最後のコマで無難にフィニッシュ。
これが、私の基本となるマンガの必勝コンビネーションなのだが、ほとんどこれ、格闘技だ。
ほかにもある。
よく私は、「太文字」や「!」は使いすぎないほうが良いと皆に教えたりする。
使いすぎると、本当に「太文字」や「!」を効かせたい時に、ぜんぜん効かなくなるからだ。
なので、「ここぞという時に使うのじゃ」とアドバイスしたりするのだが、これもまさに「メリハリ」であろう。
先日、ジムの先輩に「マススパーのとき、攻撃がぜんぜん当たらなくて悩んでいる」と相談した。
すると先輩は、「その日、1日、ずっと “なぜ当たらなかったのか” を考え続けるといい。そして導き出した答えを、次の時に試してみる。この繰り返し」と教えてくれた。
これもまさに、文章 (漫画)と同じなのでは?
ようするに、見直しだ。
考えに考えて、見直しをしまくって、クオリティを高めていく。
同じだ。
ちなみに私、ロケットニュースの記事を書く時におけるパワーの配分は、ネタにもよるけど、基本的に
撮影 (仕込み)3
執筆2
見直し(整え)5
くらいの割り合いだ。
とにかくまずはカタチにする。
家に例えるなら骨組み工事。
その後、たっぷり時間をかけて、じっくりじっくりと整えていく。
キッチンとかトイレとかを入れていくみたいな。
いろんな読者になりきって、読者のスピードで読み進めていく。
少しでも引っ掛かったら、すぐ直す。
そのくらい見直しは重要視している。
職業柄、今までいろいろな人たちの文章を直したり、アドバイスしたりしてきたけれど、まるで人が変わったかのように、いきなり上手くなる人がたまにいる。
すぐにわかる。
「つかんだな」って。
わたしも、キックで、そうなりたい。
精進あるのみ。
がんばろ。