そういや先日、ユニクロ店内で「ぶつかり男」に遭遇した。
いきなり後ろからドンっと押されたのだ。
そのまま男はズンズンと店内へ。
何事かと思ったし、とても悔しく、不快に思った。
とっさに「なんだてめーこのやろー!」とキレようかとも思ったが、怖いし、迷惑系ユーチューバーみたいなヤバ目の奴だったら面倒なのでやめといた。
それにしても、なんて悲しい存在なのか「ぶつかり男」という奴らは。
だいたい、それをやる奴らというのは、世の中に不満がありそうな表情をしている。
イライラしながら生きているというか。
はっきり言ってイケてない。
鬱積 (うっせき)が顔と行動に出てしまった妖怪と見るべきなのかも知れない。
先日、電車の中でも「ぶつかり現場」を現行犯目撃したが、「被ぶ者」はとりわけ邪魔な感じでもなかったし、仮に行手を阻 (はば)んだとしても、少し避けるか、声をかければ良いだけのこと。
それをわざわざ体当たりするとか、「加ぶ者」は頭おかしいとしか思えない。
ともかく、やられた方は「シュン……」としてた。
私もシュン……となりつつも、どんな野郎なのか、無性に顔を確認したくなってきた。
まるで万引き犯を探すGメンの如く、店内を探索する私。
手がかりは、後ろ姿のみ。
デカくて、ポヨポヨとした体格の、ダサいベストを着た若者……。
……いた!
まるで地球に対する月の如く、一定のディスタンを保ちながらグルリと回り込んで顔を見た!
そいつは……
豚みたいな男だった。
性格の悪さが顔に出たブ男というか。
世の中にブゥブゥと言っているのが顔に出てしまっているというか。
まさに鬱積が顔と行動に出てしまった妖怪……いや、豚だったのかもしれない。