バックパッカーをしていた23歳の時。
カンボジアのプノンペンで知り合った、心の友と言うべき男が、よく「人生50年!」と言っていた。
正確には「立って半畳、寝て一畳、 ●●●●(自分の名前)43歳! 人生50年! あと7年!」と言っていた。
当時の私は、そんなもんなのかなと思っていた。
先日。
Facebookを開いたら、クラスメイトがお誕生日。
お互い小学生時代のことを知っている我々が、なんともう42歳。
でも、なんとなく「42歳なんてまだまだ若造!」とコメントしてみた。
なんとなく。
たしか同日。
もしくは翌日。
キックの練習でガチスパーの相手を頼まれていた日だった。
相手はジムの大先輩で、年齢は50台と聞いていた。
朝から激しく本気 (ガチ)で殴り蹴り合う。
人生初のガチスパーだったらしい。
でも、果敢に攻めるナイスなファイトで、いいローキックをもらってしまった。
試合後、年齢を聞いたら56歳!
私より14も年上!
ということは、だ。
私はまだ少なくとも、やる気さえあれば14年はキックができるし、14歳も年下の相手とガチで殴り合うことができるということになる。
本当に我々はまだまだ若造だった。
なお、ナイスなローをもらった左脚は、いまだに痛い。
その翌日。
じーちゃん (祖父)に会ってきた。
もうじき誕生日で92歳になると言ってた。
「まさか自分がこんな長生きするとは思わなかった」と言っていた。
じーちゃんはよく、七夕の短冊に「ピンピンコロリ」と書く。
全力で生きて、苦しまずいきなり死にたいという意味らしい。
なお、冒頭に出てきた「人生50年!」の彼は、ことし、推定61か62くらいで亡くなった。
突然だった。
あらためて合掌。
しかしいずれにせよ、ぜんぜん「人生50年」じゃなかった。
56歳で年下相手にローで悶絶させる男がいる。
ジムにはさらに年上の先輩もいる。
42歳なんてまだまだ若造。
ゆくゆくは、92歳になってもキックしてる爺さんになりたい。