今年もこの時期がやってきた。
女装しまくりの年末年始がやってきた。
服を着て、撮ってるときの気分は良い。
だが、その後が問題なのだ。
つらいのだ。
スマホの中にウン百、いや、ウン千とある女装写真の中から「使える写真」だけを選定する作業が実に実にツラいのである。
なぜならば、私は「奇跡の一枚」しか使わないから。
いいや、使わないのではなく「使えない」。
なぜならば、「奇跡の一枚」以外は「単なる女装したおっさんの写真」だからである。
そんなおっさんが、精一杯自分を可愛らしく見せようとしながら自撮りしているわけであるが、たまに出現する奇跡の一枚以外、すなわち1000枚中999枚は単なるおっさんの写真なのである。
その発掘作業の、途方もないこと、虚しいこと。
これを何かに例えるならば、「アフリカの泥山から金のかけらを探す」くらい途方もない作業なのである。
iPhoneの中にいるオカマのおっさんが、「私を選んで」とばかりにこちらを見ている。
でも、自分で言うのも悲しくなるが、そこにいるのは単なるおっさん。
42歳のGO羽鳥だ。
しかし、1000枚に1枚くらいの確率で出現する奇跡の一枚、イコール、レイちゃん。
彼女を求め、スワイプする。
まるで泥水の中、ふるいをユサユサ振るがごとく。