先日、ものすごく久しぶりに中目黒へ行った。
生まれてから16歳で引っ越すまで住んでいた中目黒は、違う街かと思えるくらいに変化していた。
なんなんだあのタワーは。
何なんだこのオシャレな雰囲気は。
昔はもっとこう……
私と同じく中目黒で育ったクラスメイトが営んでいるバーは、まさにオシャレな目黒川沿いにあった。
これまた中目黒で育ったクラスメイトと一緒にアポなし訪問。
その名を「NEMS」というが、想像を超えたおさゃれで雰囲気の良いバーだった。
30年ぶりの再会と、ちょっとした嬉しいハプニングに、楽しくなりすぎて飲みすぎた。
ベロンベロンになって外に出ると、結構な雨が降っていた。
ありがたいことにNEMSの店主が、我々に1本ずつ傘を貸してくれた。アフターケアも完璧だ。
そして少し歩いて目黒川を横切ると、友人がつぶやいた。
「この匂いこそ目黒川だよね」
急な大雨で水位が上昇した目黒川は、濁流に近い勢いで「ドドドド」と音を立てていた。
その昔は、水捌けも悪く、しょっちゅう溢れていた目黒川。
今でこそ整備されて溢れることはなさそうだけど、濁流の時の「ドブのような生臭い香り」は昔のままの目黒川だった。
見た目や雰囲気は変わっても、その地に染み付いた香りだけは変化しないのかもしれない。