羽鳥商店

GO羽鳥(マミヤ狂四郎)の自由帳。

【昆虫食】コオロギ食騒動に見るゲテモノがゲテモノでは無い時代

なんかコオロギ食がどうだとか。

 

いろんな意見があるみたいだけど、私としては「もうコオロギくらいではゲテモノにならないのか」と思ったり。

いや、まだゲテモノであるから、こんなにも拒否反応が出ているのか?

いずれにしても、騒ぎすぎだ。

なぜ今になって騒ぐのか。

昆虫食なんて、もっと前からあったのに。

 

かつて私がフリーのライター・漫画家として活動してた2000年代の初頭、「昆虫料理研究会」という団体が動き始めていた。

 

彼らは昆虫食をゲテモノとしてではなく、あくまでも「食糧難になった時の食料としての可能性」を見出すために調理・研究する団体だった。

まさしく今現代における「昆虫食」が目指すもののハシリといっても良いだろう。

 

私の記憶が正しければ、私が日本で最初にこの研究会を とある雑誌で取材して (←自慢)、その後、「昆虫食」というネタがメディア界に広がっていった。

 

その頃は まだまだ世間的に昆虫食は「ゲテモノ」としての扱いであり、私もおっかなびっくりコオロギを食べたものである。

 

しかし、それが「ページの限られた雑誌の仕事」を奪取するための勝負ネタだった。

まさに私は “生き延びるために虫を食っていた” のである。

 

なお、2002年の私が食べたコオロギはパウダーなどではなく、そのまんま素焼き。

それも、素焼きが乗った「虫ピザ」である。

 

感覚的には、まあまあコオロギは美味しかった。

少なくともバッタよりは美味しかった。

しかし、味的にはイナゴには劣るな……というのが私の持論。

 

イナゴの美味さは昆虫食としての美味さを軽く超えており、「そりゃ普通に食べられているワケだよ」と思ったりも。

 

なおコオロギ以外も様々な昆虫を食べた。

中には「ナメクジ」なんてものもあった。

もちろん食べた。

あれは人間の食べるものではない。

そーゆーことが分かっただけでも、意義のある研究会だったと思う。

 

 

それはさておき、そんなイナゴの地位に、いまコオロギが迫って……いや、もう確実に超えている。

なにせあの無印良品でさえコオロギを使った食品を売っているのだから。

なんでも「地球にやさしい」のだとか。

 

しかしネットは荒れていた。

賛否両論。

いろんなデマも飛び交って地獄絵図の様相を呈している。

 

それにしてもなんで今コオロギでここまで燃えられるのか謎。

イライラしてるのか。

それともヒマなのか。

とにかく敏感反応しすぎでは?

先述の通り、コオロギ食なんて前からあったではないか。

 

 

なぜか昆虫食ネタに関しては他の追随を許さない我らがロケットニュース24でも「コオロギ」と検索すると、コオロギの時代は2019年ごろから本格的に到来していた模様。

※参考↓

コオロギ にまつわる記事 | ロケットニュース24

 

そして無印良品がコオロギ食を売り始めたのは2020年。

それから何の炎上もなく3年も経っているのだから、何かを考えるきっかけとなる勉強のために学校の給食で出たっておかしくなかろう。

だって、食用コオロギパウダーなり、食用コオロギエキスでしょ?

食用でもないワイルドなコオロギの素焼きを毎日モリモリ食べるわけではないだろうし。

そんな炎上するほどのことじゃないでしょ。

 

なーんでこんなに大騒ぎになるんだろう。

なぜ様々なデマが飛び交うくらいまでの炎上状態になるのだろう。

私としては、コオロギ食よりも、今のネット全体の状況の方が心配である。

 

 

ちなみに余談だが、私が初めて昆虫料理研究会を取材しに行ってから約4年後。

あらためて同研究会を取材しに行った。

 

その当時は、まさしく出版不況の風が吹き荒れており、雑誌のページを勝ち取るのも困難な状況。

本気でメシが食えない状態になっていた。

並大抵のネタ出しでは確実にボツになる厳しい時代。

だが、私は「ゴキブリを食べる (天ぷら)」という超大ネタを投下してページを奪取した。

私にとっての昆虫食は、本当の意味で「生きるため」の食だったのだ。

 

なお、そのゴキブリ食の感想については、雑誌だけでなくロケットニュースにも記事を書いているので興味のある人はチェックしてほしい。

※参考↓

【コラム】ゴキブリを食べたとき「ウマイかマズイか」よりも先に自分の脳みそがショートした | ロケットニュース24

 

 

虫の味