羽鳥商店

GO羽鳥(マミヤ狂四郎)の自由帳。

未知なる街の見知らぬビルの入り口の扉の裏側の隙間の中で「はいどーも」とラジオ出演

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さびさの危機一髪。

 

今日、夕方から、とあるラジオに電話出演することになっていたのだが、開始の時間を完全に1時間間違えてカレンダーに入れていた。

 

電車に乗ってる最中、そのラジオ局から電話がかかってきた。

 

うそだろ?

まだ1時間ある。

一度帰宅して、軽く予習して臨む予定なのだが。

なんの用事だ?

 

いや、まさか……と思い、過去のメッセージ履歴を確認すると、まさに今から始まるという時間!

 

 

ヤバイ!

完全にヤバい。

向こうは完全にスタンバイOK状態。

 

とりあえず小声で電話に出て、少し待ってと状況を軽く伝えてから、ドアが開いた瞬間に途中下車。

 

来たこともない地下鉄駅のホームをダッシュして、一目散に地上へ上がった。

 

電話の向こうで

 

「羽鳥さんどうしたの?」

「なんかいま駅で、地上に出てるみたいです」

「ああ、そうなんだ」

 

みたいな会話が遠くに聞こえる。

 

お待たせしてから2分後くらい。

ようやく外の、誰もいない場所にたどり着いた。

これなら電車のゴトゴト音も聞こえまい。

 

しかし、

 

「なんか羽鳥さん、風のビュービュー音が聞こえますが大丈夫ですか〜?」

 

と。

 

うおお、風も遮断できる場所を探さねば……と、見つけたのが、そのへんにあったビル。

 

しかしビルの中に入ったらマズイので、ビルの外の、入り口のガラス扉が開いている、その裏の隙間に入り込んだ。

 

「お待たせしてすみません! 風の音、どうですか?」

「大丈夫でーす! では、いっちゃいまーす!」

 

 

その2秒後には収録の本番が始まっていた。

 

 

「どうも羽鳥さん!」

「はいどーもこんにちは〜!」

 

 

見知らぬビルの入り口のガラス扉の裏側の隙間の中にスポッと入り込みながら声を張り、テンションあげて「出演モード」の羽鳥になって、しばしの間の電話出演を無事にこなした。

 

もしも誰かに見られたら、

 

「ハイテンションで電話しているあの男、なぜビルの玄関のガラス扉の裏の隙間に入り込んでいるのだろう」

 

と思われたことだろう。

「入り口のドアの裏にいる男」みたいな怪談を作られてもおかしくないような状況でもあった。

 

 

「それでは羽鳥さん、ありがとうございました〜!」

 

 

MCのマイクの音量レバーがオフになったのが「間」でわかる。

次の瞬間、マイクから遠ざかりながらMCの「よし、バッチリ!」みたいな声が聞こえた。

 

よかった……。

 

たぶん、ほぼ100点で収録を終えた。

予習なしなのに、よくもまあ乗り越えられたもんだ。

 

 

まさかラジオを聴いている人は、私が「どこかのビルの入り口の扉の裏側の隙間の中」にいることなんて想像もしていないだろう。

 

 

姿の見えないラジオの世界。

 

こういうこともあるんだな (普通、ねえよ)と思った今日のできごとなのであった。

 

 

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