だいたい人が騙される時ってのは、冷静ではない時だ。
迷惑メール評論家である私も、過去に「ヤフオク詐欺」で7万円ほどもっていかれた。
その時もやはり冷静ではなく「焦っていた」。
そして今回も──。
とある国のビザを取ることをスッカリ忘れていた私は、焦りながらビザについてGoogle検索。
検索結果の上の方に出てきたビザのサイトに個人情報を入力し、クレカ情報を入れたところ……弾かれた。
何かしら間違ったのだろうとあらためて入れるも、やはり弾かれた。
「カードに問題があります。他のカードを使って下さい」
──と、ここで私はハッとした。
詐欺サイトだこれ!
フィッシング詐欺のサイトでも、よくクレカ情報を入れても「ダメでした。他のカードを使って下さい」となる。
なぜこうなるのかといえば、詐欺師たちが「より多くのクレカ情報が欲しいから」だ。
そしてだいたいの場合、弾かれたカードも実はしっかり使われており、身に覚えのない金額が引き落とされているのである。
※悪質な場合は、サブスク的に何ヶ月も続いたりする。しかも少額なので気づきにくい。
瞬時に異変に気づいたが、すでにクレカ情報は入れてしまった。
また、あらためて某国のビザについて調べると、しっかりと国が管理しているサイトがあった。
というか過去に、このサイトでビザ取ったことあるじゃん俺。
何で今回、違和感に気づかなかったのか……。
答えはそう、「焦っていたから」である。
その日のうちに、カード会社に連絡した。
怪しいサイトにクレカ情報を入れてしまったと。
「使えません」と弾かれたけど、たぶん請求されてると思うと。
調べてもらったところ、109ドルの請求があるという。
本当のビザの価格は36ドル。
明らかにインチキだ。
状況を理解してくれたカード会社の人は、すぐさまカード番号変更を伴う再発行手続きをしてくれた。
今のカードは即使用停止となり、もうこの電話を切った時点で破棄してくれという。
新たなカードは到着まで数週間かかるけど、各種引き落としとかには登録していない、“こういう時” にしか使わないカードなのでヨシとする。
というか、詐欺サイトを上の方に表示するGoogleの存在って一体。
広告料をもらっているからだと思うけど、そのサイトの内容、ちゃんと詮索しているのだろうか。
お金さえ払えば詐欺サイトであろうとも検索結果の上の方に表示するGoogle。
Google自体が「ぼったくり店ばかり紹介してくる悪質な客引き」みたいになっている。
みたい、というか、そのものだ。
かつて、このような地獄への入り口は迷惑メールだった。
でも今、それが天下のGoogleになっている。
検索の方法、ひいては「検索そのもの」について考え直す時代になっているような気がする。
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