
最初から期待はしていなかった。
香港の 美麗都大厦(ミラドマンション)。
ここは、なんというか、日本に例えるなら治安悪めの巨大マンション。
店あり、工場あり、マンション全体が完全にカオス。
その中の一室が、さらに細分化され超狭い「一室」になっている、安宿密集マンションだ。
同じく有名なこのタイプの安宿には、 重慶大厦(チョンキンマンション)がある。

実はここ、20年前の放浪時代も泊まったことがある。
その時はあまりの狭さに、ノートPC (iBook)にコーラをこぼしてブッ壊し、〆切が近かったこともあり急遽帰国した忌まわしき思い出がある。
そもそも香港には良い思い出がない。
美人局的な詐欺に遭いかけたり……。
※変な男がやってきたけど喧嘩上等でブチギレて跳ね除けた。
でも20年経ったいま、ふたたび香港に降り立った。
予約した宿の住所を見ると、奇しくもあのミラドマンション。
宿主のインド人は「君のためにグッドルームを用意した」と言っていたが、

どこがやねん。
入ってベッド、おわり。
窓なんてない。
シャワートイレはあるけれど、お湯が出るのは30秒そこそこ。
これがグッドルームならノーマルルームはどうなるんだとツッコミたくもなるが、

楽しんで使いこなしてしまう私がいた。
そもそも20年前に泊まったのも、こんな宿だった。
特に何も驚かず「またか」となり、「さ〜て、どんな自分の部屋にしようかな」と攻略し始めるのであった。
かつて、私の単行本に、あと書き的に寄稿してくれた私の師匠のライター様は、私について「現地適応能力が極めて高い」と評してくれた。
昔からそうだったのかも知れないけど、今はさらにパワーアップしている気がする。
どんな部屋でも自分の空間にする自信があるし、どんな部屋でも楽しむ余裕もある。
※なにせ毎日必ずデカいGが2、3匹は出る宿で2ヶ月くらい生活したこともあるくらいだし。
困るのは、あまりにも快適になりすぎて、なかなか外に出られなくなることだ。
今もこうして早朝ながらブログを書いている。
※シャツの乾き待ちってのもあるが。
そろそろ着替えて、街に繰り出そう。
今日は歩くぞ。
めざせ3万歩。
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