先日の「サブカル市」での似顔絵コーナー。
閑古鳥が鳴くか、大盛況になるか、どちらかだろうと踏んでいた。
もし大盛況になった場合、できるだけ多くの人を楽しませるためにはスピードが必要。
なので事前に練習してたけど、どうしても1人10分くらいの計算になっていた。
今の私の力量では、このタイムを縮めるのは不可能。
かくして、サブカル市が始まった11:00には、ドドドっとウェイティングリストに名前が連なり、一瞬にして「予想3時間待ち」というTDLもビックリな状況になった。
逆に、私は3時間ずっと描き続けることになる。
待っている人がいるのにランチしてる暇などない。
結果的には、持参していたお弁当 (すぐ食べられるよう、おにぎり2個)も、中身の違う水筒3本にも、一切手をつけることなく6時間半、描き切った。
水分補給は、上司Yoshioが買ってきてくれた砂糖多めのアイスコーヒーと、差し入れのプロテイン飲料のみ。
どちらもストローなので飲みやすかった。
ありがたし。
あと、休憩的には、3回ほどティッシュで鼻をかましてもらった。
それだけ。
そのほかの時間は、お客様と楽しくおしゃべりしながら、延々と、それはもう延々と描いては塗って……を繰り返し、結果的には38人(お子さんを入れて42人分)の似顔絵を描き切った。
トイレにすら一度も行かなかった。
※汗で、全てそちらに流れていた説もある
6時間半を分にすると390分。
それを42で割ると9.2。
1人あたり9.2分かかったことになり、予定よりも早く描けているけど、もう少し修行が必要かなと思ったりした。
また、今回、着色込みで大人1人1000円をいただいた。
でも、次回あるとしたら、出版業界における漫画やイラストの原稿料と同じく「1色 (ペン入れのみ)なら1000円」「カラーなら1500円」とか分けても良いかなと思った。
中国・上海の似顔絵師もそのような料金でやっており、さらに彼らはペン入れと着色をそれぞれ専門職が行う (2人1チーム)という、ゴルゴ13でおなじみ「さいとう・たかを」先生の、さいとうプロダクションなみの分業体制を敷いていた。
※もしくはアメリカ漫画「アメコミ」式の分業体制。
やはり1人でカラー1000円だと限界はあるかも。
次回は何かしらの対策をしたい。
とはいえ、そんなに時間は短縮できない気もする。
なぜなら、お客様とのお話も、私の中の似顔絵では大切な工程。
いろんなお話をして、お客様の表情の変化を観察しているのだ。
「あ、この人は、このように笑うのだな」とか。
「意外な特徴発見!」とか。
でないと、無言 → 真顔だけの似顔絵になっちゃうから。
なのでやはり1枚 (カラー)10分で1000円〜1500円なのかなぁ……。
そのくらいの金額の限界に挑戦したい気持ちもある。
ちなみに今回は6時間半をぶっ通しで描いたけれど、もしもイベントのクローズ時間が17時ではなく21時だったとしても、私はたぶん描き続けていたと思う。
あと20人は描けたと思う。
若い時なら二徹三徹あたりまえの漫画家は、基本的にタフだ。
タフでないとやっていけない。
※そんな苦行のような生活を続けるので早死にする漫画家が多いと私は勝手に思っている。
私も、もう徹夜なんてできないけれど、「6時間半ずっと集中」は、わりと容易に維持できた。
12時間くらいまでなら、今でもできる気もする。
昔は、そんなのしょっちゅうだった。
私は漫画家。
でも似顔絵にも興味あり。
修行せねば。
やりたいことが多すぎる45歳。
毎日が修行。
時間はいくらあっても足りることはない。