羽鳥商店

GO羽鳥(マミヤ狂四郎)の自由帳。

【平成出前伝説】そば屋は「カツ丼22人前」をどのように運ぶのか

日のブログに対し、非常に多くの読者様から「アクエリアスより『カツ丼22人前』の運び方が気になる」との声を頂戴したので解説します。

 

まず、お蕎麦屋さんには、出前を持っていくためのお盆があります。

 

サイズは5種類。

 

極小〜バカ大 (ばかだい)までありまして、その名の通りバカ大が最大サイズ。

 

大きさは、そうだな……エアコンの本体がそのまま載せられるくらい、みたいな。

 

んで、そのバカ大に、

 

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まずはカツ丼 (陶器。蓋付き)を8つ並べます。

おしんこ8皿、お箸22人分も丼のスキマに入れたりしつつ。

 

そして、それを、


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2つ作って重ねます。

これにて16人前。

 

あとは、中くらいのお盆に


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6人前をのせ、さらにバカ大2連発の上に重ねます。

 

そしてそれを……


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出前機に載せると。

これ、ポイントは1番上の「中サイズのお盆」です。

 

仮にこれが、最も使用頻度の高い「小サイズのお盆 (お蕎麦2人前ギリいける)」だと、バカ大にのった両サイドのカツ丼4つ分が上から押さえられなくなる (いつ落ちてもおかしくない状態で運ぶことになる)のです。

 

なので、バカ大+バカ大となったら、「中」でフタ的な固定が必要になるわけです。

 

ちなみにこの22人前は本当に重いので、出前戦士の中でもトップガンクラスの精鋭にしか任せられない大一番です。

 

なにせ、普通の出前とはまるで感覚が違うのです。


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急発進、急停車は御法度。

 

なぜなら、バイクの出前機につまれたカツ丼22人前の重み (ブランブラン)で、バランスが保てなくなるからです。

 

前後だけでなく左右も当然。

さすがに22人前なのだから相当に重く、そう簡単に左右にブランブランとはなりませんが、逆に重力的な「下方向への重み」は半端なく、下手にコーナリングしたらカツ丼の重さで潰されます。

 

なので、ほんと、スピードを出しても法定速度30キロが限度。

コーナリングも絶対に車体を傾けさせず、垂直のまま曲がる必要があります。

サーカスにおける「自転車を漕ぐ熊」みたいな、あんな感じです。

 

 

無事に目的地に着いても油断はできません。

そのままヒョイとバイクから降りたら、カツ丼の重みで10000%バイクは倒れます。

 

なので、まずは、両足で踏ん張り。

 

バイクが倒れないようゆっくりと降り。

 

サイドスタンド (強化スタンド)を出しつつ。

※重すぎるのでセンタースタンドなんて論外

 

慎重に出前機を上げ、一気に22人前を抱えてバイクからおろし、一度、その辺に置くなどして体勢を整えます。

 

そして、そこから玄関まで近ければ、気合いで22人前を抱えて行きます。

 

しかし、たとえば体育館への出前 (22人前とかだと、こういう場所が多い)だと、バイクを置いた場所から目的地までかなり歩く必要があるので、バカ大1の中と、バカ大……みたいな感じで、現地で2回に分けて運んだりもします。

 

それくらい重い。

 

とてもじゃないけど人間の力で長距離は運べない。

そんな世界が「カツ丼22人前」なのです。

 

晴れでこんなんだから雨とかなら苦行レベルは2倍3倍になります。

 

ちなみに雪の日の「カツ丼22人前」は体験したことないです。

雪の日は、体育館などの施設への出前はほばなく、たいていは家への出前。

 

そりゃそうでしょう。

雪の日は家にいたいものです。

なので雪の日のカツ丼22人前、なんてのは無いです。

 

そのかわり。

 

雪の日は、「鍋焼きうどん14人前」なんてのはよくあります。

 

持って行きます。

ひとりで。

 

 

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