羽鳥商店

GO羽鳥(マミヤ狂四郎)の自由帳。

「笑わせたら売れない」AV紹介文の世界で学んだこと

f:id:gohatori:20260501071018p:image

日、「うまく作ったら売れない」という話を書いた。

今回はその続き。

私がロケットニュースに入る直前に勤めていた、アダルトサイト運営会社での話だ。

 

その会社には2年ほど在籍した。

モザイク担当として1年以上働いていたことは以前書いたが、その前は動画サンプル担当、さらにその前は——「紹介文担当」である。

 

AVの紹介文を書く仕事。

これはもう、天職だと思った。

 

漫画家時代に仕事をした100誌以上のうち、8割以上がアダルト系。

なぜならエロ本には私の活躍できる「サブカルコーナー」がほぼ必ずあったからだ。

 

結果として、そんな  “エロ本畑” で育ち、親父もエロ本マニア。

アダルト × 文章という組み合わせで負けるわけがない。

 

水を得た魚とはこのことだ、と鼻の穴を膨らませていた。

 

 

……が、1カ月で外された。

 

 

「豪くんの文章、笑っちゃうのよ。アダルトはね、笑わせたら売れないの」

 

言われてみれば、たしかにそうだ。

ムラムラしてサイトに来たのに、紹介文で笑ってしまったらスイッチが切れる。

私はリズムだの言葉遊びだのを短い文字数に詰め込み、クスッとさせる文章を毎日量産していた。

 

上司は続けた。

 

「紹介文なんて機械的でいいの。ユーザーはサムネイルで判断するんだから。“水着” “制服” “人妻”、情報を添える程度でいいの」

 

なるほど、完全に合理的だ。

エロは理屈より先に反応する。

考えさせる余地など、最初からいらない。

「うまい文章」が入り込む隙がそもそもないのだ。

 

 

うまさが、邪魔になる。

 

 

これはアダルトに限った話ではない気がする。

どの業界にも ”売るための最適解” があって、それは必ずしも「クオリティの高さ」とイコールではない。

技術や表現力が、常に成果に直結するわけではない。

むしろ逆に作用することだってあるのだ。

 

……などと真面目なことを考えながら、今日も私はエロサイトを眺めている。

勉強のため。

断じて、学びのために。