羽鳥商店

GO羽鳥(マミヤ狂四郎)の自由帳。

とある早朝、24時間営業スーパーの青果コーナーにいた情熱の太陽

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に住んでいた街に、24時間営業のスーパーがあった。

異常に早起きだった時の私は、朝5時に買い出しに行ってしまう。

 

客は私1人。

 

まず出迎えるのが青果コーナー。

 

まさにこれから陳列始めます的なダンボールがたくさん。

 

それを開け、一つ一つ確認しながら並べていく青果コーナーの若頭 (わかがしら)。

 

対面には、彼の相棒である “陳列やレジやとオールマイティに仕事をこなすユーティリティプレイヤー” な、メガネのおばちゃんが野菜を陳列。

 

いつもの朝がそこにはあった。

 

 

 

と、その時!

 

 

 

 

若「ふざけんじゃねえよっ……!」

 

 

 

 

なんだ。

どうしたんだ。

何があったんだよ若頭。

 

彼はそのまま、誰に対してでもなく、まるで空に吠えるように、こう続けた。

 

 

「こんなデキの悪いヤツをよこしやがって!」

 

「ちきしょーっ!」

 

「うぉーっ!」

 

 

と、ここでメガネのおばちゃんが、慣れた様子で「まぁーまぁー」と、怒りで肩を震わす若頭をなだめる。

 

 

「ちっきしょー……タダじゃおかねえ! ゆるせんっ! 僕、言います! ここは譲れん!」

 

 

そんな決意じみた熱いセリフを雄叫ぶ若頭。

 

というか、何が起きているのかおわかりだろうか。

 

 

つまり。

 

 

若頭は……

 

 

自分が信じて発注した青果が、納得できないクオリティだから死ぬほどキレているのである。

 

 

それを見た私は思った。

 

だから美味いんだここの青果、と。

パイナップルもレベル高いし。

こんなに熱い男、いや、漢がいるから、この国 (スーパー)の威信が保たれているわけだ、と。

 

彼の熱。

彼の情熱。

仕事に対する尊敬すべき姿勢。

 

 

私には彼が太陽に見えた。

 

 

彼がいる限り、そのスーパーの青果コーナーには、燦々と良い光と熱を浴び、瑞々しく実った野菜なり果物なりが並ぶことだろう。

 

プロフェッショナル (字幕版)

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