知人からおぞましい話を聞いた。
簡単に説明すると……
知人の知人の会社でのお話。
事務系の仕事。
同僚のひとりに、あまり皆とは関わりを持とうとしない女性社員がいる。
けっこういい歳の、キャリアも長いベテラン女性社員。
ただ彼女、良くないことに、会社の悪口をTwitter (現X)で書きまくっているのだという。
それも、年齢や住まいの情報をビミョーにズラして、身バレしないよう赤の他人になりすまし、自分の働いている会社の悪口を、かなりこと細かに書きまくっているのだという。
他人を装い誹謗中傷を書きまくる。
なんという卑怯な行為。
「匿名の自由」とは何かを考えさせられる話である。
──が。
本当に恐ろしいのはここからである。
なんと、この匿名の彼女が他人になりすましてコソコソと会社の誹謗中傷を書きまくっていることを、彼女以外の社員はほぼ全員知っているのだった……。
何かのきっかけに誰かが発見し、いろいろと調べて「間違いない」と断定。
その噂は人から人へと “リアルでシェア(RT)” され。
卑怯な匿名さんが何かを書くたびに、社内ではヒソヒソヒソ。
ますます皆との「溝」が深まっていく──。
リアルのコミュニケーショをろくにとらず、PCやスマホの画面まで直線距離せいぜい40cmほどのネットしか見えていないから、自分が匿名でコソコソやっていることが実はまわりの全員にモロバレしていることすら気づかないのであろう。
こんなにおぞましい話あるだろうか。
そして、こんなに滑稽な話あるだろうか。
「単に名前を名乗らないだけならまだしも、他人になりすまして悪口を書く人がこんなに身近にいるとは。インターネットの匿名文化ってのは、どうなんだろうって思ったりするよ」
私の知人は、呆れた顔でそう漏らしていた。
卑怯な匿名さんが「バレてる」ことに気づくのはいつの日か。
なんの生産性もない、しょーもないことにカロリーを費やしていることに気づくのはいつの日か。
──そんな日は、やって来ないような気もしないでもない。
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