名残惜しささえ感じている。
本当の旅でも同じようなことがある。
「まだこの国にいたいな」と。
そんな感情を、タカノフーズ「すごい納豆S-903」は思い出させてくれた。
価格は3パック税込171円。
実はまったく期待をしていなかった。
なぜって、このパッケージからでは、まるで「どんな納豆なのか」が読み取れないから。
「S-903」ってことしか頭に入らず。
「納豆菌」とか「乳酸菌」とか。
よくわからないけど健康志向の発酵食品的な?
でもまあ、タカノフーズだし……と買ってみた。
健康に良いのなら、みたいな。
そしたら!
まずパッケージが独特だった。
ものすごい高級感というか、いや、ちがうな。
スタイリッシュというか。
角が取れていて、デザイン性も追い求めている感があるというか。
また、ふたのくっつき具合も美しい。
一体感というか。
パッケージ全体のフォルムが美しい。
そう、とても「垢抜けている」のだ。
しかし!
くっつきすぎていて、開ける時「バキッ」っとなってしまった。
「美」を追い求めすぎたからなのか。
いずれにしても、3日間通して、開けにくかったことは否めない。
中身はこう。
注目すべきは「シールド乳酸菌入り たれ」であろう。
シールド乳酸菌が100億個も入っているらしい。
もう、納豆菌に乳酸菌に、菌菌の納豆である。
そう、あと印象的だったのは、このビニールを剥がす時。
豆にもビニール越しに触れると思うのだが、ものすごい弾力というか、なんか「生き物」みたいな感触だったのだ。
ハムスターの背中みたいな。
で、豆がこちら。
まあ普通かな……と思いきや!
すごい結束力というか……!!
かき混ぜるのにも一苦労。
「くっつき」がすごいのだ。
強固。
ガチでスクラムを組んでいます的な。
車のハンドルに例えるなら、「パワステ」ならぬ「オモステ」みたいな。
とにかく重い!
でも、ややトロミのあるタレとカラシを加えたら、
いい感じになった。
ネギを加えて……
いただきます!
ここからは連日残しておいたメモをもとに清書していく。
……マジでうまい。
間違いなく断言できるのは、今までの中で一番好き。
「菌」とか「数字」がいっぱいあるから、単に健康に良い的な商品なのかと思いきや、実は「味」の面で勝負を仕掛けてきたのでは? ってくらいに美味かった。
これは完全に「パワーアップ版おかめ」。
ゲーム機にたとえるなら「プレイステーション(プレステ1)」から「PS4(プレステ4)」になったくらいの。
人に例えるなら、曇ったメガネをかけたガリ勉くんが、実はメチャクチャ歌がうまかったり(しかもメガネを外したらイケメン)……。
「おかめ納豆が恋しいな」なんて、ホームシックもふきとんだ。
ノーマル「おかめ納豆」を食べていた自分が、遠い昔のことのように思えた。
そう、ノーマル「おかめ納豆」が「過去」になった瞬間でもあった。
確かに感じる「おかめ」のイズム。
「O」の遺伝子がそこにはある。
しかしこれは最高級に研ぎ澄まされた「おかめ」であり……。
まさに「おかめ納豆」の上位互換品。
なので「O派」にもオススメできる納豆だ。
冒頭にも書いたが、最終日なんて、名残惜しかった。
たった三日間で、こんなにもハートを鷲づかみにするとは。
最終日はご飯炊き立てだったこともあり、最高だった。
ご飯の上に載っている納豆が、私にはダイヤモンドに見えた。
キラキラ輝く無数のダイヤモンドに。
こんなに贅沢なことはない。
こんなに幸せなことはない。
いずれにしても、どれだけ美味しかったのかは、私のこのメモの長さと熱量で、お分かりいただけるかと思う。
私の中での暫定1位は、間違いなくコレである。
さてさて、次なる納豆はというと──
これでいきまーす!
ではまた3パック後に!
【これまでの納豆の旅】
- 基準:タカノフーズ「おかめ納豆」(95円)
- ミツカン「くめ納豆」(116円)
- ミツカン「金のつぶ パキッ!とたれ とろっ豆」(116円)
- オーサト「雪誉」(116円)
- 西友「北海道小粒納豆」(138円)
- 保谷納豆「国産極小粒納豆」(181円)
- タカノフーズ「山わさび納豆」(116円)
- コープ(ヤマダフーズ)「北海道産大豆 小粒納豆」(116円)
- 7プレミアム(あづま食品)「極小粒納豆」(105円)
- ミツカン「金のつぶ 厳選大豆 国産小粒納豆」(105円)
- タカノフーズ「すごい納豆S-903」(171円)