羽鳥商店

GO羽鳥(マミヤ狂四郎)の自由帳。

「上の者」は、まず名を名乗り、落ち着いて話を聞いてくれた

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いつぞやか、こんなことがあった。

とある取材中に利用した施設での話。

 

記事にして良いかどうかの許可をとろうと、名刺を持って受付へ。

名を名乗り、かくかくしかじか、説明した。

 

「上の者がいないのでわからない。あらためてこちらから名刺の連絡先に連絡します」

 

と言われたので、数週間、待っていた。

しかし、待てど暮らせど一向に返事が来ない。

 

私は記事の下書き原稿を書き、あらためて施設のサイトのお問い合わせフォームから「先日、記事化の相談をして名刺を渡した羽鳥と申します」と、下書きの原稿を送った。

 

「こういう記事にしたいです。修正点や、使えない画像がある場合は遠慮なくお申し付けください」との言葉を添えて。

 

しかし、これまた待てど暮らせど返事がない。

このままでは記事が腐ってしまうと思い、勇気を出して電話してみた。

※私、電話をかけるのも受けるのも大の苦手

 

お世話になっております。

株式会社ソシオコーポレーション、ロケットニュースの羽鳥と申します。

 

電話に出た担当者は、私の問い合わせメールも確認した上で「はい、結構ですよ」と言った。

私は「ありがとうございます!」と丁重にお礼を言い、電話を切った。

 

その2分後くらい。

 

あらためて、その先方から電話がかかってきた。

はい、羽鳥です。

すると、すごい剣幕で、

 

結構ですと言ったのは「結構です」と言ったのです。載せなくていいです!

 

──はい?

 

載せなくていいです!

 

──えっ……いや……では、モザイク処理をして……

 

記事は公開しなくて結構です!!!

 

……と。

 

 

わけがわからない。

 

 

その先方が主役の記事ではなく、あくまで「そちらの施設を利用したシーンがあるので写真を使って大丈夫か」と問い合わせているのに、「記事ごと公開するな」と言っているのだ。

ぶっきらぼうに。

乱暴にも程がある。

 

このままでは、せっかく1日かけた仕事も水の泡。

私は必死に、

 

 

「それでは、御社が出ているシーンの画像は、強いモザイク処理などして場所がわからないようにさせていただきます。しかし記事の方は公開いたします」

 

 

と食い下がった。

なんなら私の手書きイラスト処理にしたってかまわない覚悟である。

 

すると先方は、

 

ああ、そうですか……。……また折り返します (ガチャ)

 

と電話を切った。

 

 

 

しばらくすると、明らかに「上の者」な、重役らしき方から電話がかかってきた。

 

その方は、まず名を名乗り、私の話はもちろん、問い合わせメールや下書き原稿も確認してくれたうえで、「はい、問題ありません。」と、冷静に画像の使用許可を出してくださった。

 

実に落ち着いた対応だった。

さっきの人とは真逆。

さすがだな、と思う対応だった。

 

一件落着……ではあるが、この方にエスカレーションしなかったらどうなっていたのか……と思うとゾッとする。

 

名を名乗れる人は違う。

その行動や言動には覚悟や責任感がある。

その逆もしかり。

 

 

君の名は。

君の名は。

  • 神木隆之介
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