もうかれこれ、ココイチ的な物心ついたときから、ココイチのカレーは「2辛(にから)」と決めていた。
なにがあってもカレーは2辛。
「テジコミトンカツノ ニカラデ ガーリック ユデタマゴ トッピングデ」
が私の呪文であり、意味としては「手仕込みとんかつカレーの2辛で、ガーリックチップとゆで卵をトッピングしてください」だ。
2辛がオレのココイチの味。
そう勝手に決めていたフシがある。江戸っ子口調で「2辛以下なんて甘ったるくて食えねぇや」みたいな。
ところが!
先日、ふとココイチに行き、テジコミトンカツ……ではなく、体に優しそうなシーフードカレーをオーダーしてみた。
やや体調が悪かったのだ。
揚げ物なんて、もってのほか。
辛さも……今回は「0辛(ゼロカラ)」、すなわち「普通」でいいかなと。
んで、食べてみたところ……
う、うまいっ……!
うめえじゃねえか……!
「ちょうどいい」じゃねえか……!
ていうか、辛さ、「絶妙」じゃねえかこれ……!
2辛デフォルトとは何だったのか。
単なるカッコつけだったのではないか。
意味のない「こだわり」だったのではないか。
あえて、この絶妙なバランスを崩す意味ってあるか?
ないだろ!
ないだろ豪!
目を覚ませ豪!
素直になれ豪!
それ以来、2辛にすることはなくなった。
やっとココイチの本当の味を理解した気がする。
0からの再スタートだ。