年に1回、ないし2回、場合によっては3回4回、私は仕事で女装をする。
もう一度言う。
仕事である。
正直、何割かは趣味も入っている。
しかし断じてその目的は仕事である。
それはよしとして。
なんとなく、キックのジムのトレーナーさん&先輩たちに、私が女装していることはバレていないもんだと思っていた。
そう勝手に信じていた。
なぜって。
恥ずかしいのだ。
こんなにオラオラと女装を見せつけてきた私なのに、なぜか今さら恥ずかしいのだ。
ジムの先輩&トレーナーさんたち、そのほかキック関係者、ならびに学校の同級生に女装を見られるのが死ぬほど恥ずかしいのだ。
だからこそ私は、「見られていない」と勝手に信じる。
でないと、何もできなくなっちゃうから。
ところが。
先日、とあるトレーナーさんと話していたとき。
話の流れで
「そういやぁ羽鳥さん、女装キャラあるじゃないですか」
という衝撃発言がサラリと飛び出したのである。
「女装キャラあるじゃないですか」。
しっかりと彼は知ってるのだ。
彼は見たのだ。
私が女装していることを、しっかりと把握しているのだ。
彼以外にも、もうひとりトレーナーさんが知っているのも把握している。
では、この2名以外の面々は知っているのか……?
……どこまで知っているのだ?
気になる。
気になる。
気になる!
が!
気にしてたら何もできなくなるので、気にしないことにする。
考えないことにする。
見ているわけ、ないんだから。
そんなことあるわけない。