少し寂しいけれども。
オレンジジュース。
たぶんもう飲まないと思う。
もしかしたら仕事とかで飲む時はあるかもしれないけれど、積極的に自分から飲むことはないと思う。
なぜなら。
たぶん私はもう、一生分のオレンジジュースを飲んだのだ。
一番ハマってた時期は、1日に1リットルパックを2本飲むこともあった。
うまい、うまいと。
飲んでも飲んでも飲みたりない。
ごちそう的な飲み物=オレンジジュース。
こんなに美味い飲み物あったのかと。
冷蔵庫の中には必ずオレンジジュース。
欠かすことは絶対にないし、飲まない日はない。
そんな状態が2、3年くらい続いたと思う。
ところが今年に入ってからオレンジジュースへの熱は瞬く間に冷めてゆき、2ヶ月前くらいからオレンジジュースを買わなくなった。
いや。
オレンジジュースを飲まなくなった。
いや!
オレンジジュースを飲めなくなったのかもしれない。
もうなんか、飲みたくない。
まるでアレルギーみたいに、体がオレンジジュースを拒んでいる。
「もう十分飲んだろ」と言っている。
たぶんもう飲まない。
なぜなら、あまりにも飲み過ぎたから。
──つねづね思っていることがある。
コップの水の理論。
人間、何かの欲望がある。
やればやるほどコップの水が溜まっていく。
そのうち溢れる。
そしたら、その欲望は終わる。
私の中で、オレンジジュースは、たぶん終わった。
あらかじめプログラムされた「人生で飲むオレンジジュースの量」を、43歳の時点で達成してしまったのだ。
今は、アップルジュースをよく飲んでいる。
同じく、コーヒー牛乳は、必ず毎日飲んでいる。
納豆ごはんも、できるだけ毎日食べている。
ヨーグルトもピルクルも、毎日食べている。
まったく飽きないし、どれもウマイ。
でも「いつか終わってしまうのかな」なんて思いがよぎるのも事実である。
できるだけ長く、飲み食いしていきたい。
できるだけ長く。
できるだけ。