大根の味噌汁が好きだ。
独特の食感。
シミシミでウマイ。
そして安い。
98円の1/2本で6人前は作れるぞ!
そんなこんなで大根の味噌汁を作るわけだが、遠い昔の親父のことを思い出す。
姉は小3で、私は小1とか。
もしくはもっと上か。
ともかく昭和の小学生時代。
なんだかよくわからないが、その日はカーチャンがいなかった。
よって夜食は、めずらしく親父が作ることに。
親父の料理なんて「たまごやき」しか食べたことない。
そんな親父が作ったのは……
「たくさんの大根が入ったピリリと辛い味噌汁」をデカい土鍋でグツグツしたものと、ごはん。
であった。
「鍋」という名の味噌汁というか。
要するにこれ大根の味噌汁じゃんみたいな。
そんなよくわからない料理たったのだが、なぜだか不思議と美味かった。
美味いというか、楽しかった。
親父が作ったのは、「ピリッと辛い大量の味噌汁」が入った土鍋。
なんなのそれ。
でもうまいし(笑)
本当「よくわからないけどうまい」の代表格みたいな料理。
私と姉は、たらふくその大根鍋をむさぼった。
機嫌を良くした親父は、その鍋を「バイエルン鍋 (?)」みたいな、なんか洋風の名前で呼んでいたが、なんて単語だかは忘れた。
幼い私でも「全くマッチしていなかった」と感じるほど実体とはかけ離れた名前だった。
ベートーベン鍋だか、バビロン鍋だか、なんだかもう忘れちまったけど、その「ピリカラみそしる土鍋」が美味かったことだけは確かだ。
親父が料理をしたのはその一回だけ。
何気に鮮明に覚えている。
なので。
全国のお父さん。
機会があったら子供にメシを作ってあげよう。
下手でもいいから。
めちゃくちゃでもいいから。
なにげに、おぼえていてくれるかも知れないから。
ずっと。
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