今までいろんなうどんを食べてきた。
香川も行った。
でも、私の中でのナンバーワンは、まちがいなくじーちゃんのうどん。
思い出補正抜きでうまかった。
じーちゃんはうどん作りの名人だった。
きょう、元旦の挨拶にじーちゃんちに行った。
ばーちゃんはもちろん、ねーちゃんもいて。
で、せっかくなのでじーちゃんにうどんの作り方を聞いてみた……のが上記のメモだ。
もうなんだか、ほぼ暗号。
「テキトー」という言葉も飛び出して。
100%の詳細は聞き出せなかった。
だが、いくつかのヒントは聞き出せた。
あとは、記憶の中の味に、少しずつ少しずつ近づけさせるチューニングを施して……の繰り返しになるかなと。
最も重要なのは塩分濃度だと思うんだけど、それがわからないので、ほんと手探りでジリジリと近づけさせていく……ことになると思う。
でもなんか、作れる気がする。
私なら、作れる気がする。
根拠もある。
そのむかし、幼少期、よくじーちゃんのうどん作りを手伝ってたし。
だから、ある程度の手順は覚えているし。
どんな道具を使っていたのかも覚えているし。
味を完璧に覚えているねーちゃんもいるし。
時間はかかるかもだけど、たぶん、できる。
だが。
「じーちゃんのうどん」と同時に再現しなければならないのが「ばーちゃんのつゆ」だ。
これがまたとんでもなく武士道ならぬ「節道(ぶしどう)」を感じるつゆで。
まさに「ビシッ!!!」っとしたつゆで。
容赦ない感じで。
そんな「じーちゃんのうどん」と「ばーちゃんのつゆ」が合わさると、もう天下無双な状態になる。
貴乃花と朝青龍がフュージョン (合体)したくらいの史上最強生命体になる。
もしかしてじーちゃんとばーちゃんはうどんが縁で結婚したのでは? と思うほどに。
そうなると私はうどんの末裔ということになるが。
それはさておき、じーちゃんのうどん。
もちろん出来立てもウマイし、冷めてもウマイ。
個人的には「冷めて固まったじーちゃんのうどん」と「ガンガンに熱くしたばーちゃんのつゆ」の組み合わせが最強。
間違いなく金取れる味。
なにせ完全なる身内より少し遠い存在である “母方の姉妹” が「お義父さんのうどんは本当に美味しかった」と語り継ぐくらい。
ばーちゃんにもつゆのレシピを聞いたが、これまた100%は聞き出せず。
しかし、私と姉には「記憶」という映像データがあるので、たぶんこちらもイケちゃう気がする。
なにせシンプルなつゆだから。
「一刀両断!」みたいなつゆだから。
なので、今年の目標はうどんかな。
もちろん干しそばも食べるけども。
じーちゃん直伝の梅干しを、3年目にしてようやく人様に食べさせられる出来になった梅干しを、梅干し師匠であるじーちゃんに見せたら「丁寧に作ってる」と合格印をもらったのが記念すべき今日。
次に私が継ぐべき羽鳥の味は、「じーちゃんのうどん」なのかなと。
ちなみにじーちゃん、そばを自作していた時もある。
私も食べたことがある。
それなりに美味しかったが、じーちゃん的にはダメらしく。
「ありゃ本当に難しい」「十割蕎麦なんて無理」「相当な技術力が必要」と、何度も何度も悔しそうにつぶやいていた。
もひとつちなみに、私がそば好きになったのは完全にじーちゃんの影響。
私がまだ幼い頃から、ちょいと高級なお蕎麦屋さんに連れて行ってくれてたからだ。
そこで頼むのは決まって「天せいろ」。
蕎麦の味も、つゆの味も、天ぷらの味も、すべてよくわかるのが天せいろだから。
その教えは、今でも私の基本ルールになっている。
最後のちなみは、埼玉を拠点とするじーちゃんの兄弟たち。
じーちゃんいわく「オレらの兄弟の中で、うどんを作れない者は1人もいなかった」とのことで、じーちゃん含む羽鳥家の兄弟全員うどん名人だったという。
なんだかドラゴンボールの「戦闘民族サイヤ人」みたいな「埼玉県民ウドン人」であり、それほどまでの腕前なら うどん屋をやってりゃ天下取れた気もするが、なぜか羽鳥家は先祖代々「(屋根)瓦屋(職人)」なのであった……。
いずれにせよ、とりあえずは、うどん。
登るべき山は「じーちゃんのうどん」。
そして、じーちゃんに食べさせる。
それが今年の目標。
東京・中目黒育ちの私にも、確実に「埼玉県民ウドン人」の血は流れているはずだから。
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