どうも今朝はアンニュイな気分だった。
ニュースも聞き終えたし、天気予報も聞き終えた。
でも、なんか、まだ何かを聞いていたい。
海の音とか、街の音……
そうだ、街の音なんて良いな。
ざわざわした人の声とか、
プァ〜プァ〜ってクラクションとか、なんとなくニューヨーク的な、アーバンな街の音。
マンホールから湯気が出ている的な。
そんな喧騒の中に、オレはいる。
今の気持ちにピッタリだ。
そんな気持ちになって、アレクサにこう言った。
「アレクサ、街の音、ながして」
すると、アレクサは「はい」と言ったのち、
中村美津子の『河内おとこ節』(かわちおとこぶし)を流したのである。
どどんがどん。
スチャラカぽん。
そのリズムは100%の「音頭」であり、一気に部屋の中が町内会のお祭りムードに染まった。
しかし、この曲のどこかに「街」や「アーバン」な部分があるのかと思い、とりあえず最後まで聞いてみたが、完全なる「節 (ぶし)」だった。
まぁ、でも、よくある聞き間違えだよね……と、あらためて「アレクサ、街の音を流して」とリクエストしてみたところ、なんとアレクサは……
あらためて、中村美津子の『河内おとこ節』(かわちおとこぶし)を流したのである。
どどんがどん。
スチャラカぽん。
とりあえず今回も最後まで聞いた。
ニューヨークっつうか、大阪だよねこれ……と思いつつ、あらためて、きわめて滑舌 (かつぜつ)良く、まるでNHKニュースのアナウンサーのような口調で「アレクサ、街の音を流してください」と乞うてみたところ、なんとアレクサは……
なんの迷いもなく、中村美津子の『河内おとこ節』(かわちおとこぶし)を流したのである。
どどんがどん。
スチャラカぽん。
結局、このやりとりを5回ほど繰り返し、『河内おとこ節』を5回もフルコーラスで聞く朝となった。
ふと気付いたら、アンニュイな気持ちは消えていた。
アレクサ、有能である。