前々から目をつけていた某メーカーの洋服を買いに都内某所へ。
そのメーカーの「本店」があるとのことで赴いたところ、まさかの本店にも置いてないという。
しかし、歩いて10分ほどの支店には置いてあると。
Googleで場所を調べて行ってみることに。
すると、Googleの口コミに目が釘付けになった。
なぜなら、ろくでもないことが書き込まれまくっていたからである。
簡単に言えば「最低の接客」と。
それも一件ではなく、同様の口コミが数多く載っていて不穏なムード。
もちろん「良かった」的な口コミもあるが、「接客態度悪すぎ」との口コミが心配になるほど書き込まれていたのだ。
まったく、これだからネット民は。
インターネット=人の悪口を書き込むツールみたいな感じで嫌だな、なんて思いながら問題の店舗に行ってみた。
在庫を聞くと、私の欲しかった黒の色は「L」しかないと。
たぶん私のサイズは「M」。
とりあえず、色違いなら「M」も「L」もあるので、それを着てサイズを見てみることに。
「どうぞ」と店員さんは言い、どこかへ行ってしまった。
ボタンを外してくれるとか、一緒にサイズを見てくれるとか、そんなのはなく、「どうぞ」と。
自分でハンガーから外して着て判断してくれと。
試着室とかではなく、その場で自由に羽織って判断しろと。
なんか、つっけんどんな接客だな……と思ったが、まあよい。
サイズがわかれば良いだけのこと。
ちょっとボタンが特殊で外すのに苦労したが、「M」も「L」も羽織ることができた。
やはり予想通り私のサイズは「M」だった。
なので、この店での購入はあきらめることに。
店員さんに、「黒のM」がある店舗を調べてもらえますか? と頼むと、快く調べてくれた。
いくつか、在庫がある店がわかった。
原宿。
吉祥寺。
「あ、それなら吉祥寺に行きます」。
私はそう返事して、さらにひとつお願いをした。
「あと、恐れ入りますが、今からこの足で吉祥寺店に行くので、黒のMを取り置きしてもらうように伝えておいてもらえますでしょうか」
同じメーカーのショップ同士なので、そのような連携は容易かと私は勝手に思っていた。
しかし、その店員さんの答えは全然違った。
「このラベルに書かれている品番を、お客様のほうで吉祥寺店に連絡して伝えてもらったほうが早いです」
つまり、私が吉祥寺店に「今から行きますので取り置きしておいてください」と直接お願いしろと。
私、本当に電話が苦手なので、店員さんに取り次ぎをお願いしているのに……。
なので、あらためて「あの、お店の方から吉祥寺店に連絡しておいてもらうことは……」と丁重にお願いしてみても、「いや、お客さんが電話した方が早いんで」と2度目の拒否。
一体なぜ同メーカーのショップ (直営店)同士で電話するより、慣れない私が電話した方が早いのかよくわからないが、とにかく店員さんが言いたいのは「お前がやれ」ということであった。
──仕事とは。
今日ほど、Googleの口コミを書きたいと思ったことはない。
「接客態度が悪すぎ」と書き込みたくなったことはない。
時間の無駄なので書き込んだりはしないけれど。
Googleの口コミ、あってた。
そのまんまだった。
いや、それ以上かもしれない。
その後。
電話が苦手な私は、特に連絡はせず、駆け足で吉祥寺店に向かった。
そこの店員さんは非常に親切で、申し分ない接客だった。
ボタンも外してくれたし、羽織らせてくれたし。
購入後、入り口まで送ってくれた。
ちなみに「黒のM」は、バックヤードにも在庫はない、「店頭のみ」のラス1だった。
あぶなかった。
これでもしも売り切れてしまっていたら、間違いなくGoogleに「最低の接客」と長文で書き込んでいたことだろう。
こちらもこちらで、あぶなかった。
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