先日、とある配達業者さんと長話することがあった。
数時間かけて、いろいろじっくり聞いた。
知らない事実が山ほどあり、大変勉強になった。
良い話もあったし、嫌な話もあった。
その中でも私が単純にビックリしたのが、
「手渡しの配達でお礼や声掛けしてくれる人は1割くらいしかいない」
という話。
9割は無言で受け取るだけだという。
「お疲れ様」も「ありがとう」も言わず。
私が「そんなバカな!」と言うと、事実だと。
「どこどこの地域だから」という話ではなく。
さまざまな地域で配達してきた、そこそこのキャリアを積んでいる本業が言うのだから間違いないのだろう。
「たぶん、システムの一部だと思っているのだと思う」。
彼はそう言っていた。
つまり、ネットでポチる。
時間指定などをする。
その時間内に「荷物が届く」。
そういうシステム。
その荷物の裏に、仕分けする人、まとめる人、実際に運ぶ人。
「人」がいることを忘れてしまっているのではないかと。
目の前に人がいるのに、「システムの一部」と考えているのではと。
だから、「無」で受け取るのではと。
「最初はビックリしたけど、もう慣れたので、こちらもなんとも思いませんけども」。
私は絶対に声をかける。
ありがとうございます。
お疲れ様です。
お世話様です。
実際に自分が昔、出前やってたからってのもあると思う。
きつい仕事。
声かけられたら嬉しい。
だから声かける。
飲食店でもそう。
「ごちそうさま」と言うに決まってる。
私は厨房の中からそれを聞いて嬉しかった。
どんな仕事でも、働いて何かをしてくれた人にはお礼を言う。
声かける。
もちろん私みたいに声をかけてくれる人が1割は存在するというのは救いある話だけれど、たった1割しかいないのかという絶望感。
ちょっと私の中では絶対にあり得ない。
自分が思っている以上に世の中は冷たいんだなと思った。
ちなみに、私が「たまにリポビタンDをあげてる」と言うと、「それは神」との判定だった。
実際、リポDとかをもらうことは多いし、嬉しいと。
よかった〜!
自販機で買えるジュース一本分の小銭をくれて「これで好きなもんを!」との粋 (イキ)なねぎらいをする方もいるそうな。
それ相当にカッコイイ。
ちなみに、やはりリポDは別格で、「事業所への差し入れに箱入りのリポD (10本)」とかだと「わかってるな〜!」となるのだとか。
それ、めちゃわかる。
私もロケット事務所への差し入れに栄養ドリンクの箱とかいただいたことがあるけど「わかってるな〜。ありがたいな〜」と思った。
「何もなくてもいい。声だけでも嬉しいものですよ」。
私もそう思う。
「お疲れ様です」と言われるだけでもやる気が出る。
出前してた時、食器を回収に行ったら、食器の中に「お疲れ様です」というメモ手紙が入っていた時なんて、「よっしゃ、がんばろ」となったこともある。
その先に人がいることを忘れてはならない。
リアルでも、ネットでも。
心ある世の中になってほしいと切に願う。