今年のはイケるのではないかと。
そんな手応えがあった。
去年、一昨年に作った梅干しは、正直わたしの口に合うモノではなかった。
カリカリ梅みたいな。
まさに1年目、2年目といった若手クオリティで。
でも今年は、けっこう考えて梅選びもしたし、紫蘇の量とか、漬けた時間、干したタイミングも満足いくモノだった。
はたして、今年のマイ梅干しは……
できるだけ下の方で眠っていた梅干しをピックアップした。
少しだけ汁に浸かっていた。
いいぞ、いいぞ。
ほぐしてみたところ、ややかたい。
十分に食べられるかたさだけど、おじいちゃんの梅干しに比べるとかたい。
おじいちゃんの梅干しは、まさに「耳たぶ」のような感触。
私のは、「鼻」くらいの感触。
それでもまあ、普通の梅干しにはなっている。
いい香りもしている。
色は赤。
おじいちゃんの梅干しは、ややくすんだ赤茶色って感じのもあるけど、私のはカリカリ梅みたいな鮮やかな赤。
んで、これをそのまま食べるのではなく、
おにぎりにして、アルミホイルでくるんで、
いい席の電車の中で食べみた!
すると……
ええやん!
思ってたより全然イケる!
塩加減も良い!
ちょっとしょっぱすぎる気もするけど、おにぎりにピッタリ!
ついに、自分でも納得できる梅干しが出来上がった!
今年は「羽鳥梅干し元年」としよう。
ただ、これは始まりに過ぎないとも思った。
やっとスタートラインに立てたというか。
というのも、おじいちゃんの梅干しのクオリティには全然まだまだ及んでいないのである。
おじいちゃんに聞いたやり方で作っているのに。
塩分濃度とかも、おじいちゃん式なのに。
出来上がった梅干しは、ぜんぜん違う。
おじいちゃんの梅干しには、余裕があるというか。
懐がデカいというか。
さらに、味に深みもある。
旨みもすごい。
まさに年季の入った達人の梅干しになっている。
対して私の梅干しは、やっとこさリングに立てたというか。
まだ余裕はまったくない。
味に深みもない。
美味しく食べられるけど、「とんでもなく美味くはない」のである。
私は今年44歳。
おじいちゃんは94歳になった。
おじいちゃん梅干しの最高傑作は2年前の「2021年モノ」な気がする。
私もあと40年くらい修行すれば、おじいちゃんレベルの梅干しを作れるようになるだろうか。
来年は、さらに大きな梅を使って漬けたいと思う。
いつの日か、じいちゃんの梅干しを超えなければ。
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