8月10日を過ぎると思い出す。
遠い昔。
小3か小4の頃、担任の先生から届いた残暑見舞いのことを。
今の時代は忘れがちだが、年始の年賀状ではなく、夏にも「暑中見舞い」や「残暑見舞い」を出す習慣がある。
ハガキとかで。
カルピスなんて届いた日にはお祭り騒ぎ&相手の株価高騰である。
で、小3か小4の頃の今くらいの時期、担任の先生から残暑見舞い (ハガキ)が届いた。
しかし、その内容があまりにも絶望的だったので、今でも強く覚えているのだ。
何で書いてあったのかというと──
「8月10日も過ぎ、夏休みも半分終わりましたが、元気で過ごしてますか?」
みたいな。
8月10日あたりといえば、ちょうど夏休みに浸りきっているうえ、誕生日も終えたばかりのテンション高めな時期。
そんな時に「夏休みも半分終わりましたが」と、事実かもしれないのだが、ある意味では死刑宣告のような内容だったので、ひどくブルーになったのを覚えている。
もしも私が担任なら、終わりまで1週間を切ってるけど、宿題なんとかギリギリ終わらせられそうな8月25、26あたりで残暑見舞いを出すと思う。
終わりを意識させたくないから。
今はもう大人になり、仕事しないでダラダラする夏休みは今日で終わりだ(今日しかなかった?)が、空と空気が夏から秋になるその時まで、私は夏休み気分で浮かれていたい。
セミたちが営業終了しようとも、私だけは最後までミーンミーンと鳴いていたい。
最後の最後まで夏を感じていたい。
全身全霊で、夏を。