その国のニオイ - 羽鳥商店

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その国のニオイってのがある。

タイとかわかりやすい。

ベトナムはもちろん。

ケニアにもあるし。

中国も、ある。

全体的な、その国のニオイ。

日本もたぶんあるんだろうけど、自分のニオイがわからないのと同じで、自国のニオイは感じにくい。

昨日は夜着だったし、大雨だったのでわからなかったけど、今日わかった。

というか思い出した。

カンボジアのニオイを。

特に田舎に行った時に感じたニオイ。

土の匂いと、ジャングルの匂いと、なんか燃やしてる匂いと、野生の動物の糞の匂いを混ぜて割ったみたいな。

要するにワイルド。

懐かしいと思うと同時に、「これこれ」みたいな気持ちにもなっている。

私の中の細胞が喜んでいるのを感じる。

20年前、この国に、出たり入ったり、のべ3ヶ月ほどいた。

いま、その時みたいな気持ちになっている。

あの時から20年間いろいろあったけど。

この国は発展しまくっていたけれど。

人の良さと、空気と、空と、砂埃と、ヤモリと、湿気と、料理と、1ドルのレートと、多少のボリと、そして匂い。

それらは何も変わっていなかった。

それを感じる私もまた、根本的には何も変わっていないのかも知れない。

オークンチュラン。