前から気になっていたラーメン屋さん、荻窪の『龍』。
読み方はRyo (りょう)であるみたい。
いつも営業中には行列ができていて。
ホントいつ見ても行列。
行列してないのを見たことないほど。
お店と行列がセットになっているくらいに。
どうやら家系ラーメンらしいのだけど……。
食べてみたいな……。
でも行列がすごすごすぎて、いつも他の家系ラーメンに行っていた。
つい先週も他店の家系。
でも昨日、ためしに午後のオープン10分前に行ってみると、一巡目で入店することに成功!
たぶんこんな機会めったにないと、全部入ったやつの大盛りを注文。
ごはんも無料らしいので普通盛りをオーダー。
そんで、期待はしつつも、「行列のできる家系とは、どんな感じなのかな」という、少し上から目線の気持ちで食べてみたところ……
たまげすぎて倒れそうになった。
それはあまりにも衝撃的。
これまでいくつかの家系ラーメンを食べてきたが、この日を境に「龍前、龍後」になってしまったほどの革命。
こんなに研ぎ澄まされた家系ラーメンがあったのか的な。
いや、家系ラーメンを、ここまで高めることができるのか的な。
磨かれて磨かれて、もうこれ以上ないってくらいまで極まった家系ラーメン。
家系ラーメンが好きな人なら間違いなく腰抜かすと思う。
だから行列が絶えないのだと、一口食べた瞬間から確信したほど。
そして食べ終えるまで、ずっと「究極」の意味も噛み締みしめることになる。
麺も当然おいしいけど、なんといってもスープが凄まじい。
雑味が一切ないのだ。
どう考えても良いものしか入ってない。
ラーメンなのだからトゲがあるものが入ってて当然だと思うのに、それがない。
完全に丸。
ツヤッツヤの丸。
家系なのに。
ここに行き着くまでにどれだけの研究があったのだろう……と思うほど洗練されたスープ。
それでいてチャーシュー。
なんだろう?
燻製されているのかしら?
今まで食べたことのないくらいらいズバ抜けた存在感のあるチャーシュー。
玉子も見事。
家系にはなくてはならない海苔も、ねぎも、そしてほうれん草も、すべてがうまい。
それらすべてに意味がある。
とんでもなくマリアージュ。
なんなんだこれはと。
つい一週間前に他店の家系ラーメンを食べたけど、それはそれでおいしかったけど、龍を食べてしまったあとでは「ジャンクな家系」としか感じられなくなってしまう。
ジャンクはジャンクで良いのだけれど。
あらためて「龍前、龍後」を痛感してしまう。
もう龍のラーメンはラーメンではない気がする。
なんというか「料理」な気がする。
ミシュラン取るのも時間の問題ではと真顔で思う。
これを超える家系ラーメンは存在するのだろうか。
もしも世界中の家系ラーメンの基準が「龍」のレベルになったら、人類は大きな進化を遂げるだろう。
歴史に刻まれるレベルの革命みたいな「龍革命 〜レボリューション〜」が起きるのではと。
人間は龍になってしまうのではないかと。
将棋の飛車が成るように。
よく「自分の中でのラーメンランキング」を考える。
おいしいラーメンたくさん食べてきた。
だが、たった1発で龍のラーメンは羽鳥ラーメンランキング1位の座に駆け上がった。
それはまるで昇り龍のごとく。
帰り道、あまりの衝撃に足がふらついていた。
うまさと驚きでボッコボコにされた感じ。
「すごかったな……」
「やばすぎるな……」
「あそこまで高められるのか、家系ラーメンというものは……」
止まらない感情。
ここまで打ちのめされたラーメンは人生初な気がする。
たぶん、いや、まちがいなくまた来ると思う。
そして私は、あの行列の中の1人になっている。
龍の一部になっている。
|